来週ボルダリング行くことになったけど、何を着ていけばいいんだろう?
場違いな格好は嫌だし、かといって玄人っぽい格好しておいて下手なのも恥ずかしいし。
でもそれなりに良さげな服装で行きたい。
オシャレな人って何着て登ってるんだろう…

なんて、意外と服装で悩む人は多いようです。

結論から言うと、ボルダリングの服装は動きやすければ何でもOK

迷ったらランニングウェアそのままでいいでしょう。
今から近所をジョギングするとしたら、何を着ますか?
そうそれ、その服をそのまま着てボルダリングに行けば大丈夫。

「もうちょっとオシャレしたい」
という人は、たとえば土曜の朝にセレブの友人と待ち合わせて皇居ランするとしたら?と考えるのはどうでしょうか。

ム○スポあたりでNI○Eかなんかのランニング用ショーツとレギンスを買って、速乾素材とかで「Tシャツ1着にしてはちと高いなぁ」くらいのTシャツを合わせて、あとはフラン○ランかPL○ZAにでも行って良さげなウォーターボトルを見つくろったりとかするかもしれません…あくまでもイメージですが。

つまり、走れる程度の服装ならだいたいなんでもOKということです。

でもこれで終わりではあんまりなので、もう少し詳しく解説しましょう。

↓↓この記事を読むと分かること↓↓

  • ボルダリング用ウェアの選び方
  • ボルダリングで避けたほうがいい服装
  • 男女別のおすすめスタイル
  • 専門ウェアブランド

僕自身はすごくおしゃれ感度の高いほうではありませんが、一応アパレルブランドの直営店で店員をしていたこともあります。
自分でも服が好きなのでいろいろな格好で登りましたが、中には失敗だと思ったものもありました。

また、クライミングジムに勤務していた10数年間では、述べ4,000人以上のクライマーを見てきています。

そうした経験を踏まえてお話ししますので、きっとお役に立てることと思います。

ボルダリングデビューするのに必要なアイテムは、以下のとおりです。

  • 動きやすい服装
  • クライミングシューズ(レンタル可)

…以上!

動きやすい服装って、そりゃ運動するんだから当たり前ですよね。
シューズについてはみんな最初はレンタルだから、何もいらないのと同じこと。

冗談抜きに手ぶらで始められるのがボルダリングです。

なんなら休日にパジャマでコンビニへ行って、そのままの格好でボルダリングジムへ行っても登れます。

ただ、パジャマだとたぶん靴下は履いていませんね。ボルダリングデビューには靴下が必要です。
なぜかというと、レンタルシューズを履くため
誰かが裸足で履いたレンタルシューズを使い回されたら嫌ですよね?
だからどこのジムでも、レンタルシューズ利用の際は靴下着用をお願いしているはずです。

パジャマで出かけたら、コンビニで靴下を買いましょう。

本当にそれくらいしか要らないのです。

パジャマでは行かないよ!という人のために(普通行かない)、ボルダリングのときに着る服の選び方を解説します。

「なんでもOK」と言いつつですが…あえて選ぶならこういうのがおすすめ、ということです。

ボルダリングで着る服選びのポイント

ボルダリングの服装で気をつけると良いことをまとめると、以下のようなポイントがあります。

  • 動きやすいこと
  • 軽いこと
  • ばさばさしないこと
  • 怪我したくないところを守れること
  • 想定外の露出に注意
  • 耐久性があること
  • 擦れたり破れたりしても惜しくないこと

順番に解説しましょう。

動きを妨げないこと

一番重要なのは、体の動きを妨げないことです。

おそらく未経験の人にとっては、想像していたよりも全身を大きく動かすのに驚かれるかと思います。
ですから、服装は自由に動けることを最優先するべきでしょう。

そして重力に逆らって登りますので、重いよりは軽いほうが有利

ただし、いくら軽くても、一部のエスニック系衣料のような、ふわふわひらひらしたデザインのものはあまり向きません

登るとき邪魔になるし、ホールドに引っかかると危険ですからね。

怪我の予防と露出対策

登っているとスネやヒジをぶつけることが結構あります。
傷をつくるのが嫌な人は、丈の長いものを選ぶと良いでしょう

アザだらけになっても別に気にしないなら、半袖+短パンでOKです。

ただし露出が気になる人は、下から見られることを少し意識しておくほうが良いかもしれません。
両腕を上げるので裾が持ち上がるし、自分が高いところへ登っていくほど、ギャラリーは下から眺める形になります。
二の腕とか脇とかお腹とか脚とか、思っているよりも露出しがちですので、適宜対策をしましょう。

服の素材は動きやすく耐久性のあるものを

上でも書きましたが、登り始めると思いのほか必死になり、気がつくとあちこちにアザや擦り傷が…なんていうことは結構あるものです。
当然、衣服もホールドや壁に擦れますので、耐久性のある素材がおすすめです。

Tシャツならやや厚手の綿素材、ズボンは柔らかすぎない綿か擦れに強いナイロン系が良いでしょう。

丈夫とはいっても、デニム素材については、クライミング用に作られていないものは動きにくく感じると思います。
また、高機能素材のアウトドアウェア等は、高価な割に擦れに弱いものもあるため個人的にはあまりおすすめしません。

というか、ジムのボルダリングではさほど高機能である必要もないかと思います。

さらに言えば…本音としてはこちらがおすすめですが、多少傷んでも惜しくない服を着ていくのが良いのではないでしょうか。
薄くて柔らかな平織りのコットンや化繊はホールドに引っかかりやすいですし、万が一お気に入りの服が破れてしまったら困りますよね。

ボルダリングには向かないタイプのおしゃれをして出かける場合には、たいていのジムには更衣室がありますので、そこで運動用の服に着替えるのが良いでしょう。

トップスの選び方

ほとんどの人がTシャツで登っています。タンクトップの人が1〜2割くらいかな?

袖が邪魔になるので、長袖は避けたほうが良いでしょう。
脇が見えるの嫌だな…という場合は7分丈くらいがおすすめです。

少し自己主張するなら、背面にポイントのあるものが良いのではないでしょうか。

登っているときは背中しか見えませんからね。

冬場やエアコンの効いたジムで肌寒い可能性がある場合は、パーカーが1着あると良いでしょう。
フルジップタイプだと脱ぎ着がしやすくておすすめです。

女性クライマーからアドバイス

女性用のインナーについてはちょっと体感的に分からないところがあるので、知人の女性インストラクターに教えてもらいました。

ボルダリング中はサポート力の高いスポーツ・フィットネス用ブラがおすすめです。

もっとも衝撃を強く受けるのは、落ちたり飛び降りたりして着地するとき。
人によっては、揺れが大きいとかなり痛いです。
ボルダリングは頻繁に走ったり跳んだりするスポーツとは違いますが、見た目以上に激しく大きな動きを伴います。

できればジュニア用のスポーツブラではなく、スポーツメーカーから発売されている高機能製品をおすすめします。

服の袖や後ろから見えても気になりにくいのもポイントですよ。

ボトムスの選び方

ショートパンツが一番簡単です。

露出を避けたい場合はレギンスを併用しましょう。

難しいのは、ロング丈(長ズボン)を選ぶ場合。
ロング丈のボルダリング用パンツに求められる要素は、以下のようなものがあります。

  • 股関節や膝の可動域を100%活かせる(動きを邪魔しない)こと
  • 激しく大きな動きでもズレにくく履き心地が良いこと
  • 裾が絞れる(ひらひらしない)こと
  • 軽くて極力脚に沿う形であること
  • 擦れに強く耐久性があること
  • 見た目のデザインが好ましいこと

これって、ズボンに求められる条件としてはなかなか特殊です。

だからわざわざ「クライミングパンツ」というジャンルがあるのですね。

迷ったら、通販サイトで「クライミングパンツ」と検索して気に入ったデザインのものを買うのが無難かと思います。

クライミングギアメーカー以外が出している商品だと、クライミングパンツとは名ばかりで実際の動作にはあまり適していないものもあるのですが…それでも、大ハズレということはそうないはずです。

NGな選択としては、まずスカートは論外
また、サルエルパンツタイパンツもあまりおすすめしません
裾が引っかかると危険ですし、開脚したときに脚の間に布があると、足もとが見えなくなってしまいます。

それから、ダメなわけではないのですが…
アウターとして使えるランニング用のスポーツタイツだけを着用するスタイル、いわゆる ”タイイチ”

“タイイチ” の例。男性がこのスタイルで登るのは、ボルダリングではめったに見かけない

男性が短パンを履かずにそれだけで登るのは、どちらかといえば避けたほうが良いかもしれません。
ランウェアやサイクルウェアとしてなじみのある人にとっては違和感がないのですが、クライミング界隈の人はあまり見慣れていない場合が多いと思います。

ズボン履かないで登ってる…!?と、ちょっとびっくりされてしまう可能性があります。

それから、初心者でいきなりやる人はいないと思いますが、性別にかかわらずほとんどのジムで上裸は禁止です。
海外のクライミング動画なんかをみると、かなりの率で男性クライマーは上着を着ていません。

あれはまあ、布1枚でもないほうが軽いというか、脱ぐと気合いが入るというか…

いちクライマーとしては、全力を振り絞るときに服を脱ぎ去りたい気持ちはよく分かるんですが、パブリックな場でみだりにやるべきではないでしょうね。

具体的なおすすめのスタイリングを男女別に見ていきましょう。

メンズ編

まずはもっともベーシックでおすすめの、短パン+Tシャツスタイル↓

【短パン+半袖Tシャツ】

結構普通っぽい格好ですよね。

たいていの人はこういう服、1着くらいは持ってるんじゃないでしょうか。

ショート丈なら基本動きやすいので、なんでも大丈夫です。

たとえばユニクロ

どうせならクライミングウェアっぽいのがいい、という人は、グラミチとか↓

Tシャツもなんでも良いのですが、登っているとき他人からは背中しか見えないので、バックプリントが目を引くデザインだとつい見ちゃいます。

↓はグラニフのデザインTシャツ

もちろんジャージもOKです。
動きやすい生地なので、長ズボンでも問題ありません。

↓はGapのセットアップ

短パンを普段履かなくて抵抗がある人は、1枚内側にレギンスを履くと良いでしょう。

レギンスを着用した例です↓

あるいは「ジャージもレギンスもちょっと嫌だな」と、どうしても長ズボンがいい場合は…

ノースフェイスとか↓

ノースフェイスを挙げた理由は、価格がそこそこで、どれを選んでも動きにくいということはなく、万が一ボルダリングに飽きてしまっても普段使いできるから。

価格を抑えるなら、GUワークマンでも「クライミングパンツ」と銘打った商品があります。

ちょっと変則パターンも挙げるなら、ジャージ+タンクトップもアリですね。

【ジャージ(ロング)+タンクトップ】

ウィメンズ編

続いて女性の場合にいきましょう。

↓はランニングウェアですが、これそのまんまでOKです。

ショーツ&レギンス+Tシャツ(画像のモデルはパーカーを着用)

上はTシャツノースリーブがいいですね。

クライミングウェアに寄せるなら、グラミチウィメンズベリーショーツも可愛いです↓

または、パタゴニアバギーズショーツも定番。
特に夏場は、ボルダリング以外でもいろいろ使えておすすめです。メンズもありますよ。

ジャージ系の人も結構います。
メンズ編でもGapを取りあげましたが、アディダスやナイキのようなスポーツブランドと比べて、いわゆる ”ジャージ” 感が薄めなので個人的にはおすすめです↓

男性のタイイチは微妙だと思いますが、女性の場合はタイツオンリーやストレッチスキニーも結構見かけます

ロング丈を選ぶ場合、やはりノースフェイスが無難かと↓

というか、もはやメンズもレディースも猫も杓子も、迷ったらとりあえずノース、みたいな感じさえあります。

良い意味で実に無難なのです。

専門のウェアメーカーから出ているクライミングパンツは素敵な商品が多いのですが、そこそこ高価なので最初から買う必要はないでしょう

 

番外編として、外人さんだと限りなく水着に近いくらいの人も…でも日本人でここまで攻めてる人は、都内でもめったに見かけない気がします↓

クライミングギア・ウェアメーカーのブランドもご紹介しましょう。

最初からそろえる人は少ないですが、やはり専用に造られているので、デザインを損なわずに動きやすさを確保できるよう工夫されています。
特にボトムスに関しては、クライミングパンツに求められる性能とデザインを追求した結果のやや特異なスタイルが、逆におしゃれの一形態として定着している感もあります。

カジュアルでも普通に使えますし、気に入れば初心者が着ていてもまったくおかしくないですよ。

海外ブランド

E9: イタリアのブランドで、クライミングウェアの製造に特化しています。デザイン性と機能性を兼ね備えた商品が特徴です。

Wild Country: クライミングギアとウェアを提供する英国のブランド。特に、カムデバイスの発明で知られています。

Mammut: スイスのアウトドアブランドで、クライミングウェアの製造も行っています。高品質な商品が揃っています。

Black Diamond: アメリカのブランドで、クライミングギアとウェアの製造に特化しています。信頼性と耐久性が評価されています。

Moon Climbing: イギリスのブランドで、クライミングウェアとアクセサリー、トレーニング機器を提供しています。創設者はプロのクライマーで、商品はクライマーの視点から設計されています。

nograd:フランスのクライミングウェアのブランドで、カラフルで個性的なデザインのウェアが特徴です。

Prana: サステイナブルな素材を使用したクライミングウェアを提供しています。デザイン性と機能性を兼ね備えています。

La Sportiva: イタリアのブランドで、クライミングシューズをはじめとするウェアやギアを提供しています。高品質な商品が揃っています。

Patagonia: アウトドアウェアのブランドで、クライミングウェアも取り扱っています。サステイナビリティに重点を置いています。

Arc'teryx:高性能のアウトドア装備を提供するカナダのブランドです。クライミング、スキー、アルパインテクノロジーの革新で知られています。

日本発のウェアブランド

heavy.:元祖「登れるデニム」の草分け的存在。ストリートウェアとエッジの効いたクライミングライフスタイルを融合させたデザインが特徴で、クライミングだけでなく日常生活でも着用できるようにデザインされています。主な商品としては、ストリートTシャツやイギーショーツ、グローデニムなど。

THOUFUN:日本のクライミング&ボルダリングアパレルブランドです。機能性とデザイン性を兼ね備えたウェアを提供しています。

Lobster Clijbing Technica:クライマーがクライマーのために作ったオリジナルウェアブランド。シーズン毎に機能性とデザインを追求した新モデルを発表しています。

inga:世界的に有名なプロのフリークライマー小山田 大がプロデュース。日本人の体格を元に、ストレスを感じないクライミングが出来るように作られています。

Gekko Japonics:千葉県の若者が発信する新進気鋭のクライミングウェアブランド。まだ知名度はありませんが、これからが楽しみです。

主にボルダリング未経験または初心者の方向けに、おすすめのウェア選びについて解説しました。

冒頭で述べたとおり、ボルダリングは基本的に動きやすい服装でさえあれば手ぶらでも始められるスポーツです。
とはいえ、より適した服装の選び方というのもちゃんとあるわけですね。

そして、最終的には短パンTシャツスタイルに落ち着く人が多い気が(個人的には)しています。

お気に入りのウェアでジムへ行くと、それだけでモチベーションも上がりますので、服選びは意外と大事。
登りやすく自分らしいウェア選びに、この記事が役立ってくれればとても嬉しいです。

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